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R18シチュエーションボイス、声劇、台本倉庫

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コモドオオトカゲ

Author:コモドオオトカゲ

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はじめに

ここは音声作品台本置き場です。

主に演者一人用でR18、R15。
男性向けも。女性向けも。全年齢も。
たまに複数人用の声劇台本もあります。

全てフリー台本です。
台本の使用はどなた様も御自由にどうぞ。
アレンジ、アドリブ、設定変更等、演じる方が読みやすいように改変して下さって構いません。

万が一、有料作品、有料サイトでの公開、商業利用される場合はご相談下さい。
詳しくは以下のリンクへ

台本取り扱い説明

もし宜しければこちらもどうぞ。お役立て頂ければ幸いです。
【無料音声作品】演者・台本・イラスト 募集と依頼まとめ



管理人 コモドオオトカゲ
@komodoensis69

台本取り扱い説明

当サイトの台本を読みに来て下さった方へ。

他のサイト様と書式が違ったり、読みにくい、分かりにくい部分があるかもしれません。
少しでも読みやすくなるよう簡単に御説明させて下さい。

尚、台本を書いている管理人はまだまだ修行の足らない素人です。
今後も書式の変更等を行うかもしれません。
御不明な点等ありましたらお気軽にお問い合わせ下さい。

※古い台本(2018/2より以前のもの)と最近の台本で書式や表現が異なる場合があります。
修正、統一したいと思っていますが、まだそこまで手が回らない現状です。
読みにくくて申し訳ありません。



声劇(複数人用台本)カテゴリにある物以外は、全て演者さん一人用台本です。


・概要
話の概要、簡単なあらすじ。
貴方の役や設定等。

・登場人物
演者が複数人必要になる場合、名前と簡単な役柄等記載します。

・文字数
台本の文字数。
演じる時間の目安にして下さい。

・備考
補足説明すべき事があればここに書きます。

・------------
ここから以下台本が始まります。以上で台本が終わります。
という時に仕切りとして挟んでいます。



・空行
台詞と台詞の合間にある文字が書いていない行。
大体の場合、相手(視聴者)からの返答が入るべき場所(台詞の間)に空行を入れています。
ずっと長台詞が続いて読みにくそうな場所に入れる場合もあります。

・SE
効果音。あると状況が分かりやすくなりますが、あってもなくても構いません。

・モノローグ
心の声や説明。相手のいない台詞。



・場所、人物の性格、年齢、容姿など。
あってもなくてもいい、または複数の解釈ができる設定に関しては極力記載しません。
(読んだ方、聞いた方が感じた事が全てです。
お好きなように受け取って下さい。)

・シチュエーションボイスにおいて台詞のない相手役の言動に関しては極力記載しません。
(当サイトのシチュエーションボイスは、演者と視聴者による物語です。
視聴者によって容姿も環境も返答も反応も違います。
視聴者の設定や言動を制限したくありません。
可能な限り書かずに済むよう努めています。)



・当サイトで公開中の台本は、全てフリー台本です。
無料公開、無料利用に限り、どなた様でも使えます。
使用許可は必要ありません。
フリー台本てなぁに?という方はこのページ下部にありますフリー台本に関する説明リンクへ飛んで下さい。

・有料作品、有料サイトでの使用は御相談下さい。

・アレンジ、アドリブ、ご自由にどうぞ。

・台本作者名、当サイトURLの記載は、利用者の判断にお任せしています。
記載を強制していないのは字面が視覚的に作品の雰囲気を壊してしまう可能性があるからです。
作品の完成度、視聴者の視聴環境向上を優先しています。
特に問題がなければ記載しておいて頂けると助かります。
当台本はフリーであり、他の演者さん、制作者さんと同じ台本で被る事があります。
記載していなかった為に「パクリ」「盗作」疑惑をかけられる場合もあります。御注意下さい。

・著作権は当サイト管理人にあります。
虚偽の著者名を騙る事は御遠慮下さい。


【フリー台本】とは
タグ【こえ部】に関して



2018.02.27
このページは今後変更、追記される場合があります。

お知らせと拍手返信 4/3返信

2018.04.03
チートイツ木下様へ
拙い台本を読んで下さりありがとうございます。
少しでも楽しんで頂けていたら幸いです。

正社員×派遣にコメント下さった方へ。
うおおお……いつか修正したいしたいと思いつつ放置気味な台本で申し訳ありません。
長い話を読んで下さりありがとうござます。
人によっては寧ろメンタルにダメージ受けそうな酷い台詞が多く、こわごわ公開した台本ですが、楽しんで頂けたようでとても嬉しいです。



2018.02.03
以下のページを追加、変更しました。
フリー台本やタグに関する説明リンクは、台本取り扱い説明へまとめました。
ご案内カテゴリからも閲覧できます。

はじめに
http://komodoensis7.blog.2nt.com/blog-entry-9.html
台本取り扱い説明
http://komodoensis7.blog.2nt.com/blog-entry-96.html



2017.06.23
台本に概要、本文文字数を追加します。
一部の台本には備考欄もつけます。(あまりに長すぎる台本等)
過去の台本は少しずつ加筆修正していきます。



2017.08.29
オイルマッサージ【女性向け】にコメント下さった方へ。
長いお話を読んで下さりありがとうございます。
拍手からコメント頂くのは初めてなもので、気付くのがとても遅くなってしまい申し訳ありません。
どこかで楽しんで下さっている方がいるという事、とても嬉しく、とても励みになります。

貴方を癒したいお嫁さん【男性向け】

全年齢 夫婦 マッサージ 癒し 声劇台本(一人用)

【概要】
役。
最近疲れて帰ってくる旦那さんの為にマッサージしてあげたい話。

【本文の文字数(改行、スペースを含まない)】
約2700

---------------------

(寝息)

すぅー……
すぅー……
すぅー……
すぅー……

(人の気配に気付いて起きる)

(寝ぼけ声で)
ふぁっ!?
あう……え? え?
私、寝ちゃってた?

ああああごめんっ。
おかえり!
ご飯、貴方のご飯っ。

あ……分かった?
そう、テーブルの上にあるやつ。
ちゃんとあっためた?

えへへ、良かったぁ。
今日はね、いつもとちょっと作り方変えてみたんだぁ。

シェフ直伝!
プロの技!
その一手間で出来上がりが大違い!
みたいな。
ふふっ。

あ、ソース二種類作ったんだけど。
それも分かったかな?
冷蔵庫に入ってるの。

うん!
明日はもう一つの方、味見してね。
感想教えて。
そしたら次は、もーっと貴方好みの味にしちゃうから。

歯磨き、もうした?

よしっ。
じゃあこっち〜。
こっちこっち。
来て、お布団の上。
こーこ。

(ベッドの上を二回、ぽんぽんと叩く)

マッサージしたげる。

今日ねー、ネットで色々調べてたの。
自宅でできるマッサージ
試していーい?
マッサージ屋さんごっこしよ!

はーい、靴下脱がせまーす。
……ん、しょっと。
脱がせたの、ぽいぽーい。

あははっ。
大丈夫、後で拾っとくから。
貴方はそんなの気にしなくていいの〜。

もう始まってるよ?
マッサージ屋さんごっこ。

じゃあ、足の裏から〜。
もみもみするね。
気を付けるけど、くすぐったかったらごめんね。

んっ、んっ……
足の裏って、結構疲れるよね。
痛くない?
んっ、んっ、うん……
だって、体全部、ここで支えてるんだもん。
縁の下の力持ちさんだよね。

んっ、んっ、んっ……
足の裏、お疲れ様だよ〜。
よしよし。
んっ、んっ、んっ……
よーしよし。
いっぱい労ってあげます。

さあ、足首回し〜。
ゆ〜っくりいくよ〜。

ぐ〜るぐる……
ぐ〜るぐる……
反対も〜。

女の子なら、普段からコレやってる人、結構いるんじゃないかな?
むくみや冷え性に効くんだって。

私もやるよー。
ずっと座りっぱなしの時とか。
動いてないのに、なんでか疲れちゃうよね。
こういうとこ動かすと、体がほぐれて気持ち良いんだぁ。

はい、力抜いててね〜。
ぐ〜るぐる……
ぐ〜るぐる……

緊張、ほぐれてきたかな?

ふふ。
自覚なくても、疲れてるんだよ。
最近。

分かるよー。
だって、あなたの奥さんだもん。
奥さんはね、旦那さんより旦那さんに詳しいの。
ずっと見てるもん。

でね、こう思ってます。
今日もうちの旦那さんが世界で一番かっこいい!って。
ふふっ。
ほんとだよ。

はい。
ズボンも脱がせちゃいまーす。
シワになる前にね。

腰、ちょっとだけ上げてくれる?
……もう、意地悪しないで〜。

……えいっ!

ふっふっふっ
から逃げようなんて、100年早いのです。

じゃあ、さっきの続き。
今度はちょっとずつ上っていって……
ふくらはぎ〜。

も〜みもみ……
も〜みもみ……

知ってるー?
ふくらはぎは、第二の心臓って呼ばれてるんです。
それくらい大事な場所なんです。

……今日覚えたから言ってみたかっただけ。
マッサージ師っぽかった?
えへへ。

なんかねー、身体中に血液を送るポンプ? みたいな役割? があるんだって。
よく分かんないけど。

自分の足でも試したよー。
気持ち良いよね、これ。
動画でやり方見て、色々練習したの。

だって、てきとーにやって体痛めちゃったりしたら大変でしょ?
貴方の疲れをとってあげたいんだもん。
危ない事はさせません。

太腿も、も〜みもみ……
も〜みもみ……

(少し疲れてくる)
んっ、んっ、んっ……
ハァ……

任せて下さい。
足腰の疲れを抜く太腿マッサージ!
っていう記事で予習しました。
ばっちりです。

ここは?
痛くない?
大丈夫?

んっ、んっ、んっ……

ふふ。
今日はいっぱい気持ち良くしてあげるね。

んっ、んっ、んっ……
ハァ、ハァ……
んっ、んっ、んっ、んっ……

よーし。
じゃあ、今度はうつ伏せになってくれる?

(いたずらっ子っぽく)
えへへ。
次は私の一番好きなマッサージ、やっちゃうよ〜。

まずは肩から〜……
うわっ、かった!

あっ、ち、違うっ……
今の、親父ギャグとかじゃないからね!?
ほんとに固かったの!
びっくりしたのー!

ハァ……疲れてるんだね……
全然指入らないよ。
こんなに固くなっちゃって……

よしよし。
今日も一日お疲れ様。
こんなになるまで、いつも頑張ってくれてるんだね。
今日は私が、いっぱいよしよししてあげます。

よしよし……
よしよし……
いつもありがとう。

肩がこると、首も疲れちゃうよね。
首の疲れは頭痛の元。
しっかりほぐすよ〜。

首もぐりぐり……
ちょっと後頭部、掴みます。
首を伸ばすの。

ん〜っ……

これ、気持ち良くないですか?
肩と首と頭、ぎゅ〜って固まってたのが、スッて伸びる感じ。
バレリーナみたいな気分になるよねぇ。
あれ?
私だけかなぁ?

もう一度〜
肩をもみもみ……
もみもみ……

肩甲骨も〜ごりごり〜
ふふふ。
ここがほぐれるとね、姿勢が良くなるんだって。

あーあ。
私の旦那さんなのに。
もっとかっこよくなっちゃったらどうしよう。

ほんとだよ?
誰がなんて言ったって、私にはそう見えるの。
貴方が一番なの。
そうじゃなきゃ、結婚なんてしないよ。

はーい、背骨いきまーす。

んっ、んっ、んっ……ハァ……
どうかな?
気持ち良い?
もっと強い方がいい?

んっ、んっ……ハァ……
んっ、んっ、んっ、んっ……
ハァ、ハァ……

ひゃ〜
これ以上力入んないよぉ。
男の人の体って固いなぁ。

んっ、んっ、んっ、んんっ……

ハァ……ちょっと汗かいてきちゃった。
うん、大丈夫。
これ、私のダイエットにもなって、一石二鳥かも。
あはは。

背骨に沿って〜
んっ、んっ、んっ、んっ……
ハァ……

腰は念入りに〜
んっ、んっ、んっ、ハァ……
んっ、んっ、んっ、んっ……

ハァ、ハァ……
気持ち良い?
えへへ、良かった。

もういっかーい。
上へ参りまーす。

んっ、んっ、んっ、んっ……
んっ、んっ、んっ、んっ……

あのね、こんな事言われても難しいと思うけど……
あまり無理しないでほしいの。

どうしても気の合わない人とか、意地悪な人もたまにいるけど。
そんな人のご機嫌、とらなくていいよ。
だって、これから一生一緒にいる人じゃないもん。

んっ、んっ、んっ……
んんん〜っ……休憩っ!

(布団に倒れ込む)

ハァ、ハァ、ハァ……
さすがに腕が疲れちゃったぁ。
明日筋肉痛かも。
あはは。

大丈夫、大丈夫。
ちょっとだけ休憩……

(徐々に息を整えながら)
ハァ、ハァ、ハァ、ハァ……

私がそばにいるよ。
調子悪くて笑えない時も。
調子良すぎて周りが見えなくなる時も。
どんな貴方でも、私はずっと味方でいる。

だからね、ほんとに苦しい時は……
もう無理、全部投げて逃げちゃえーって思ったら……
置いていかないでね。
私もちゃんと連れてって。

(どんどん眠そうな声になっていく)

んん……大丈夫。
ちょっと疲れただけ……

まだ寝ません。
貴方が寝るまでマッサージするって、決めてたんだもん。
貴方を寝かしつけるんだもん。

これからもずっと……一緒にいるのは……
私……だから…………
だから…………

(寝息)
すぅー……
すぅー……
すぅー……

ん……んん……
大好き……

すぅー……
すぅー……
すぅー……
すぅー……

--------------------

【朗読】かなしみの国

全年齢 朗読 童話風 声劇台本(一人用)

【概要】
悲しみの国のお話。

【文字数(スペースを除く)】
約1000

------------------------

昔々、世界にはいくつもの国がありました。

喜びの国は、喜びに水を差す、妬みの国が苦手です。
妬みの国は、自分達を差し置いて笑顔の絶えない、楽しみの国が苦手です。
楽しみの国は、楽しい雰囲気を一瞬で壊してしまう、怒りの国が苦手です。

みんながみんな、お互いが苦手です。
いなくなってほしい。
自分達の邪魔をしないでほしいと思っています。

そんな中、一際勢力を伸ばす大国がありました。
それは、悲しみの国です。

悲しみの国は、強くはありません。
けれど、悲しみの国が攻め込まれると、民はより悲しみ、一層その地盤と領土を強固なものにしていきます。

ある日、ついに悲しみの国を壊して、ばらばらにしました。
するとどうでしょう。

喜びの国からは笑い声が消えました。
妬みの国は自分の事に精いっぱい、誰にも会わなくなりました。
怒りの国は、もう立ち上がる力さえ残ってはいません。

ばらばらにされた悲しみの国。
そこから流れてきた、悲しみの民。
行く先々で、悲しみは、じわりじわりと伝染していきます。
こうして、壊れた悲しみの国はより広く、大きく、甦りました。

これは大変だ。
みんな、喧嘩をしている場合じゃない。

悲しみに蝕まれた国々が声を上げます。
みんなで協力して、悲しみを閉じ込めよう!
多くの国がその意見に賛同しました。

しかし、かつて悲しみの兄弟であった寂しさの国だけが、首を縦には振りません。
悲しみだけ仲間外れにするなんて、可哀想だ。

じゃあどうすればいいんだろう。
一日、二日、三日……
意見がまとまらないまま時間だけが過ぎていきます。

気が付けば、話し合いの場には誰も来なくなっていました。
みんなの心は悲しみに包まれ、自宅で一人、ずっと泣いているからです。

もう誰も、悲しみの国には立ち向かえません。

小さな男の子が、泣きながら聞きました。
ボクの国も、お隣の国も、みんな悲しくなっちゃうの?
それを想像すると、男の子はますます悲しくなり、涙が止まらないのです。
泣いている人達も気持ちは同じで、男の子が求めるような答えは返ってきません。

男の子は泣きました。
悲しくて悲しくて泣きました。

男の子のお父さんも。
男の子のお母さんも。
お隣さんも。お向かいさんも。先生も。お友達も。
見渡す限り、みんな、みんな、悲しんでいました。
みんな、みんな、泣いていました。

男の子が失敗しても、誰も怒りません。
みんな悲しんでばかりで、羨む相手もいません。
辛いのを隠して笑う必要もありません。

悲しみが大地を埋め尽くした時、男の子は安心しました。
安心して、また泣きました。
傍らには、寂しさが寄り添っていました。

-------------------------

返事をしたいホワイトデー【女性向け】

全年齢 ホワイトデー 友達 告白 声劇台本(一人用)

【概要】
バレンタインデー、友達だった相手(視聴者)にチョコを渡され、返事をしたい男性役。

【本文の文字数(改行、スペースを含まない)】
約2000


--------------------------------------


(遠くから声をかける)

おーい

(主人公に近付きながら)

おーい

(主人公の元まで駆け寄って)

おいってば!

お前だ、お、ま、え。
何回呼ばせんだよ。
その耳は飾りか?

へ?

べ、別に……
用はないけど。
お前が見えたから……

あー……、今帰り?

(嬉しそうに)
俺も!
へへっ、じゃあ駅まで一緒に行こっか。

なぁ、なぁ、アレ、もう行った?
アニマルカフェ!
ここからだと駅挟んで反対のとこ。

もうね、かんわいぃ〜の!
生フクロウ見た事ある? ある?
いやぁ〜、たまんない!
猛禽(もうきん)フェチの気持ち、ちょっと分かっちゃったよ。

あとフェネックな!
すげー怖かった!
ああいうの、昔のホラー映画に居た気がする。

なんていうんだろ……
チワワと紙一重っていうか……
いや、チワワも苦手なんだけどさ……
なんか不安になる。
パーツのバランスが。

ほんとだって!
お前も見れば絶対同じ事言うって!
だって、笑いのツボも悲鳴上げるポイントも一緒じゃん!

はぁぁぁ
アニマルカフェ行きたい。
毛皮と羽毛の海にダイブしたい。

……まぁ、無理なんだけどさ。
話さなかったっけ?
俺、アレルギー持ち。
だから見るだけ。

それがなかったら、毎日でも通いつめるわ。
身体中に毛と羽毛付けまくってお前に抱きつくね。
そりゃもう満遍なく。
毎日なすりつけに行くから。
あははっ。

あー……
アレルギーと言えば、あれだな。
ほら。花粉とか。うん。

お前は?
花粉症、なった事ある?
花粉ていつまで飛んでるんだっけ。

もう三月かぁ。
三月……
うん……

あっ、あれだな!
変態と痴漢が湧く季節!
衣替え!
お彼岸!
おはぎ!
梅と桜が見分けつかない!

お前、どう?
あれ、見分けつく奴いんの?

え、まさか俺だけじゃないよな……
俺以外みんな知ってたり……
いや、答えなくていい。
いいから。
聞きたくない。怖い。

いいんだよ。
そんなのはどうでも。
梅だろうが桜だろうが。

そうじゃなくて、俺が言いたいのは……
あー……
だ、だからな、あの……あー……

ち、痴漢!
そう、痴漢な!
気を付けろよ!

お前みたいなのでも一応女だからな!
一応! 生物学上は!
まあお前なら大丈夫だろうけど。
人類最強の女、レスリングの神、吉田の次くらいには安全だろう。

あ、いや、そういう話じゃなくてだな。
とにかく、俺が言いたかったのはー……

……ああ、もう。
なんか上手くいかねー。

えっ、何?
どこ行くの?

あ、そっか。
駅か。
もう駅か……

お前、何番線だっけ?

おう、俺はあっちだわ。

……そうだな。
うん。
んじゃ、ここで。
また明日……

……って、明日じゃ意味ないんだって。
ちょっと待て!

いいから待て。
しばし待て。

……ごめん。
今日ずっと待ってたんだ、ほんとは。

お前が一人になるタイミングとか。
俺がこんな可愛いラッピングの持ってうろついてたらヤバイっていうか。
恥ずかしいというか。
色々あって……えっと……

アレだ。
ほら、分かるだろ。

……だ、だからっ、ホワイトデー……だから……
お返し的な……。
う、う、受けとれっ。

……うん……
あ、あの、えっと……
チョコ……ありがと……。

ずっと聞きたかったんだけどさ……
アレ、どういう意味かなーって……

いや、どう見ても義理じゃないだろ!
明らかに義理じゃないだろ!?
それに、他の奴にはあげてなかったじゃん!
俺だけにくれたじゃん!

あんな、本命丸出しみたいな、気合い入りまくったチョコくれたのに……
なんか……その後なんもないし……

だから!
あるだろ、ほら、色々と。
段階ってものが!

例えばっ、その……す、す、……好き、とか……
付き合って、みたいな……

何で何も言わないんだよ。
めちゃくちゃ気になるじゃん。

チョコ受け取ったからもう付き合ってんの?
じゃあデート誘ったりするべき? とか。
手繋いでいいの?
繋いだ途端そんなつもりなかったって悲鳴あげたりしない? とか。
俺一人だけ勘違いしてたらヤバイだろ!
痴漢になっちゃうじゃん! 俺が!

(捲し立てて息切れ)
はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……

いいか。
白黒ハッキリつけるぞ。

お前はどうか知らないけど、俺は、お前をただの友達とは思えない。
そりゃ、変な事言ったり、からかったり、馬鹿にしたり、女扱いしなかったり、まあ……うん……色々あったけど……

何でもいいから、お前と話したかった。
お前に、面白い奴だって思われたかった。
俺といると楽しいって思ってほしかった。

……あのさ、そのお返し。
受け取ったら、お前も同じ気持ちって事で、いい?

あっ、後で返品とかなしだから!
それ持って一人で電車乗ってる俺を想像してみろ。
今日ホワイトデーだぞ!?
可哀想だろ!?

……うん。
えっと、じゃあ、とりあえず……
手、繋いでもいい?

--------------------------

返事がほしいホワイトデー【男性向け】


【概要】
バレンタインデー、友達だった相手(視聴者)に告白した女性役。

【本文の文字数(改行、スペースを含まない)】
約2000


--------------------------------------


(遠くから声をかける)

おーい

(主人公に近付きながら)

おーい

(主人公の元まで駆け寄って)

おいってばぁ!

アンタだよ、ア、ン、タ。
何度も呼んだのに〜。
もうっ。

へ?

べ、別に……
用はないけど。
アンタが見えたから……

今帰り?

(嬉しそうに)
あたしも!
へへっ、じゃあ駅まで一緒に行こっか。

ねぇ、ねぇ、アレ、もう行った?
アニマルカフェ!
ここからだと駅挟んで反対のとこ。

もうね、かんわいぃ〜の!
生フクロウ見た事ある? ある?
いやぁ〜、たまんない!
猛禽(もうきん)フェチの気持ち、ちょっと分かっちゃったよ。

あとフェネックね!
すげー怖かった!
ああいうの、昔のホラー映画に居た気がする。

なんていうんだろ……
チワワと紙一重なんだけど……
なんか不安になる。
パーツのバランスが。

ほんとだよ!?
アンタも見れば絶対同じ事言うって!
だって、笑いのツボも悲鳴上げるポイントも一緒じゃん!
あたし達。

はぁぁぁ
アニマルカフェ行きたい。
毛皮と羽毛の海にダイブしたい。

……まぁ、無理なんだけどさ。
話してなかったっけ?
あたし、アレルギーあるんだぁ。
だから見るだけ。

それがなかったら、毎日でもアンタ付き合わせて通いつめちゃうよ?
だってカフェだもん。
一人で入りたくないもん。
あははっ。

あー……
アレルギーと言えば、あれだね。
ほら。花粉とか。うん。

アンタは?
花粉症、なった事ある?
花粉ていつまで飛んでるんだっけ。

もう三月かぁ。
三月……
うん……

あっ、あとさ!
苺が美味しい季節だよね!

二月頃からかなぁ。
どこ行っても苺フェアとかいって。
パフェにケーキにクレープ……

でもでもっ、あたしは断然! 桜派!
桜アイス、食べた事ある?

花は入ってないよ。
葉っぱ使うの。
なんかねー、桜餅みたいな味。

分かるかなぁ?
微妙に塩気あって、でもちゃんと甘くて、桜餅みたいな匂いすんの。

今度連れてったげるよ!
美味しいとこ知ってるんだ!
えへへ。

……梅も、そろそろ散っちゃうね。
三月も半ばだもんね。

今年は梅祭り行ってないなぁ。
三月もあと半分、かぁ……

……あ……

着いちゃったね、駅……。

なんか、話してるとあっという間だなぁ。
あはは。

えっと、アンタは何番線だっけ?

あー、そっか。
あたし、あっち。
じゃあ、ここまでだね。

うん……
ばいばい、またね……

……どうしたの?
行きなよ。
もう電車来ちゃうから、早く……

えっ……
え、え?
何これ。
……あたしに?

えっと……
これって……
ホワイトデーの、だよ……ね……?

ほんと?
アンタ、ちゃんと意味分かってる?
今日、ホワイトデーなんだよ?

言ったよね。
チョコ渡す時に。
今年は……その……義理じゃ、ないから……

オッケーじゃなかったら、お返しはいらない。
ノーなら今まで通り。
何もなかったって事で。
忘れて友達のままでいてほしいって。

ねぇ、ちゃんと覚えてる?

後でやっぱ無理とか、ナシだから。
そういう意味でくれたんだって、思っちゃうよ。

だって……だって……
これ受け取ったら、ほんとにっ……
う〜っ……ぐすっ
もう……遠慮しないからね!

うぅ〜……ばかぁ。
遅いよぉ。
うぅ、ぐすっ、ぐすっ……

そりゃ、言ったのはあたしだけどさ……
だって、コクってすぐ返事催促したら、絶対振られるじゃん。
ずっと友達だったし。
全然意識されてないの分かってたし。
女らしくないし、可愛げないし……

だから、ホワイトデーまでの一ヶ月、ちゃんと見てほしかった。
ただの友達じゃなくて、その……お、女の子として……
アリか、ナシか。

あたしだって、こんな風になるなんて思ってなかったよ。
何でも話せて、気使わず一緒に居られて、何してても楽しくて……
一番の友達だって思ってたもん。

でも……
ヤなの。
アンタの隣に、あたし以外の子が居るの。

最初は、友達だから。
友達としてのヤキモチだって、思おうとしてた。

でも、でも……
なんか、変なんだ。
あたし。

今までそんなのなかったのに。
だから……その……
て、手を……繋いだり、したいなって……
アンタに触りたいし、あたしの事も触ってほしいっていうか……

あ〜、もうっ!
何言ってんだ、あたし。
なし!
なしなし!
今のなし!

……バレンタインの告白は……
なしじゃ、ない……。

一ヶ月あげたんだから。
覚悟はしてきた?

人目なんてどうでもいい。
ずっと我慢してきたんだもん。

振られちゃったらどうしよう。
友達でさえいられなくなったらどうしようって……
怖い想像、いっぱいした。

でも、このまま何もしないなんて無理。
アンタを他の子に取られるのは、もっともっとヤダ。

知ってるよね?
あたし、凄いワガママなの。

(距離を詰めながら)
だ〜か〜ら〜

(耳元で)
好きだよ。
アンタはもう、あたしのものって事。

-----------------------------

【声劇】百物語してみた【四人用】

全年齢 コメディ ホラー 百物語 声劇台本(四人用)

【概要】
男四人で集まり百物語する話。

百物語とは※
蝋燭を準備し、怖い話を100話はなす。
話したら蝋燭の火を吹き消す。


【登場人物】
・悟(さとる)
今回話のメインとなる百物語語り手。

・圭吾(けいご)
百物語をやろうと言い出した。

・正之(まさゆき)
主にツッコミ担当。

・直(なお)
主にボケ担当。


【本文の文字数(スペースを含まない)】
約2879

【備考】
元々人物に名前をつけなくても問題ない話ですが、人物名を演じる配信者さん演者さんの名前と入れ替えたりしても楽しそうだなーと思いつけておきました。
「女性バージョンに改変してほしい」「ここの意味が分からない」など、何かありましたらご相談下さい。


-------------------------------------------


正之
「……で調べてみたら……そこ、前にも同じような事故何度か起こしてて、今は立ち入り禁止になってるんだって……」

「うっわ〜、やばい」

「あーっ鳥肌たった!
  正之、見てこれ。
  ほらほらっ」

正之
「うるさい。今、深夜だから」

「みんな持ってくるネタ、レベル高いなぁ。
圭吾と正之の、ほんとやばい」

圭吾
「まあ一応、主催だしな。そこは頑張った」

「俺は? 俺は?」

「はは……(苦笑)」

圭吾
「おい、早く蝋燭消せよ」

正之
「ふぅーっ(蝋燭を吹き消す)」

「99本目〜! あと一本!」

圭吾
「誰だー、蝋燭買った奴。
すんげー余ってんじゃん」

「あ、僕」

正之
「やっぱり」

「悟、買いすぎ〜」

正之
「あと一人で100話?」

「多分」

圭吾
「まあ、よくもったよなぁ。
四人で怪談100話って」

正之
「言い出しっぺがそれ言っちゃうか」

「あ~……
一人あたり25話?」

「すげー頑張った! 俺!」

「ノルマきつかったぁ」

「俺、先輩や彼女にまで聞きまくったもん。
百物語やるからなんかネタちょうだいって」

「なんかあった?」

「バカみたいって言われた。
子供じゃないんだから〜とか」

正之
「それ、ほんとに付き合ってんの……?」

圭吾
「直の彼女ってあれだろ。エア彼女」

「エアじゃないし!」

正之
「次、誰?」

「正之?」

正之
「なんでだよ、さっき終わったばっかだろ」

「あー……んじゃ、圭吾?」

圭吾
「終わった。悟じゃね?」

「うん、僕」

「ネタ切れだったりしないよね?」

圭吾
「頼むぞ〜、お前で締めだからな。
ちゃんと怖い話にしてくれよ」

「怖いかどうかは分かんないけど」

「はい、お約束のハードル下げ来た〜」

正之
「直はしばらく黙ろうか」

「はい……」


SE 蝋燭に火を灯す(炎が揺らぐ音、芯が焦げる音等。お好みで)


「あー……知ってると思うけど、独り暮らし長くてさ。
家事やら手続きやら、大抵の事は一人でできる方なんだよ。
でもさ、なんていうかなぁ……大雑把なんかなぁ?
よく買い忘れたり、買いすぎたりしちゃうんだ」

正之
「知ってる」

圭吾
「悟に買い出し任せた奴が悪い」

「すいません……」

「だからまあ、足りてるつもりで足りてないとか。
余分に買いすぎて余ったり〜ってのは、前からあったんだ。
でもいつからだったか……ちょっとおかしいなって気付いて」

圭吾
「おかしい?」

「うん」

「何がー?」

「買ってきたものが消えたり」

圭吾
「買い忘れじゃなく?」

「それも考えた。
でもレシートには載ってんだよ」

正之
「うーん」

「あと、買いそびれた卵が補充されてた」

「なんだ、妖精さんの話かぁ」

正之
「ちっちゃいオジサン妖精な」

圭吾
「妖精じゃなくて幽霊の話頼む」

「怪談奉行、圭吾」

「そんな日がちょいちょいあったんだけど、僕も疲れてたからさ。あんま気にしてなかったんだ」

正之
「そこで気にしないってのが凄いよ、悟は。ほんと……」

「そしたらある日、帰り道で急にどしゃ降りになって。
傘買うのも勿体無いし、走って帰ったよ。
走ったら喉乾いて、冷蔵庫から牛乳パック直飲みして、はぁーって一息ついて……」

圭吾
「……で?」

「寝た」

「はあぁ!?」

「だからぁ、疲れてたんだって。その頃。走ったのも久々だったし。
まあとにかく、急に物凄い眠気に襲われて、そのまま寝ちゃったんだ。
でも牛乳だろ? 早く冷蔵庫に戻さなきゃ、早く起きろ起きろ〜ってずっと考えてた。
眠りが浅かったのかな。
どれくらい経ったか分かんないけど、途中で目が覚めたよ。
体はダルイわ、頭は重いわ、とにかく眠くってさ……
目だけ動かして牛乳探したんだ。
そしたら、なんか、足っぽいのが見えて……」

「うわうわうわ……きたーっ。
あ、あ、足だけ?
足から上なかったの?」

「あった。普通に」

圭吾
「金縛りは?」

「多分ない……かな?
分かんない。眠かったし疲れてたから」

「どんな奴? どんな奴?」

「普通だよ、多分。
普通のおじさん。マスクしてたからよく知らんけど」

「なーんだ、せめて落武者ならなぁ。
もうちょっとインパクトあったのに」

「そうだなぁ。あ、でも、刀はないけどアレはあったよ。
お約束の。包丁」

正之
「……は?」

「え、なんで、それマジ?」

「あと鉛筆も持ってた」

正之
「ごめん、意味分かんないんだけど」

「僕も分かんない。片手に包丁、片手に鉛筆持ってた」

圭吾
「何だよ、鉛筆って」

「さあ……?
シャーペンかサインペンかもしんないけど。多分鉛筆っぽかった」

「意味分かんない! こえぇー!」

正之
「は? え? 待って待って、悟の実体験だよな?」

「うん。俺も怖かった。
ばっちり目合っちゃったし」

「うわああ無理無理無理無理っ」

圭吾
「直、声が近所迷惑」

「泥棒かな〜と思って。寝ぼけたふりするしかないなって」

「無理……マジ無理」

「なんでもないですよ〜、気にしてませんよ〜、通報なんて考えてませんよ〜って空気出そうとした」

圭吾
「どうやって」

「話しかけた」

正之
「うわぁ」

圭吾
「なんて言ったん?」

「牛乳しまいに来てくれたの? って」

圭吾
「どんだけ牛乳に固執すんだよ!」

正之
「お前のそういうとこ、もう尊敬の域に達しそう」

「しょうがないじゃん、実際寝起きだったし、頭回ってなかったし」

「で? で? どうなった?」

「そう。って言われた」

「で、グサーっと……」

「刺されてたら今ここに居ないから」

圭吾
「その前にさ、それほんとに幽霊?」

「ん~? どうなんだろ?」

正之
「牛乳は? しまってくれた?」

「ううん」

「あー、夢オチか。出しっぱなしのままだったと」

「いやぁ、多分捨てられた。
洗った牛乳パック、綺麗にたたまれてた。 
起きたらそこの流しにあったよ」

「完全に人間じゃん!」

正之
「起きたら……って、結局また寝たのかよ!」

圭吾
「急激な眠気ってのも怪しいな。
前から部屋に出入りしてたんだろ?
何か盛られたんじゃね?」

「あ〜……証拠隠滅で捨てたんだ……
うわぁ〜やだやだっ」

「そういやあのおじさん、どしゃ降りだったのに濡れてなかったなぁ。
土足で上がった跡はあったけど。掃除楽だった」

圭吾
「降る前から家の中に居たって事か……」

「もー! やめろよー! お化けは平気だけど、そっち系のやつ無理。
一人で帰れない。今日は悟ん家泊まる」

「いいよー、布団一組で良ければ」

圭吾
「ビビリすぎ」

「100話終わったけど、なんも起こんなかったね」

「意地悪言うなよ! 圭吾だけ一人で帰らせるかんな!」

圭吾
「子供か」

「みんな泊まりたいっしょ? 正之なんか家遠いし」

正之
「待って、その前にこれだけ確認させて」

「ん?」

正之
「お前が入れてくれたカフェオレ。
この牛乳には変な曰くないよな?」

「ははっ、そんな古い牛乳残してる訳ないじゃん。
昨日買ったばっかだよ」

正之
「なぁ……それ、いつの話?」

「だから昨日」

正之
「じゃなくて! さっきの話!」

「あー、えーと……先月? あれ?
二〜三ヶ月前だったかなぁ」

圭吾
「引っ越した?」

「金ないって。
あったらこんなボロアパートに居ないから」

正之
「え……じゃあこの部屋……」

「あれー?」

圭吾
「どうした?」

「100話目の蝋燭、消したの誰?」


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後輩が小悪魔(お見舞い)【男性向け】

全年齢 後輩 お見舞い 小悪魔 誘惑 声劇台本(一人用)

【概要】
風邪で寝込んでいる後輩女性役。
後輩は一人暮らし。
メールで呼び出した先輩(視聴者)がお見舞いに来た話。

【本文の文字数(スペースを含まない)】
約2800

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(SEを入れる方はここにインターホンのチャイム音)

はぁい、開いてます。
勝手に入ってきて下さい。

けほ、けほっ……
(咳き込む)

はぁ(安堵の溜息)
やっと来てくれたぁ。
ずっと待ってました、先輩。

ふふ、大丈夫です。
ちょっぴり元気出たかも。
先輩の顔、見れたからかな。

ほんとですよぉ。
私、実家遠いし。
友達いないし。

……ん〜?
先輩はいいんです。
友達枠じゃないからノーカウント。
例外です。

ふっ。
友達じゃないなら、なんだと思いますか?

さあ?
なんでしょう。
気になりますか?

そうですか。
じゃあずっと気にしてて下さい。
ずーっと考えてればいいです。
私の事ばっかり。

そんな事より〜……
はい。
(手を出して催促する)

下さい。
私へのお見舞いですよね?
その袋。

プリンですか?
ゼリーですか?
やっぱりフロマージュですか?
ババロアも好きですよ!

あっ、待って待って。
やっぱりいいです。
まだ見せないで下さい。
サプライズ感が大事なんです。
こういうのは。

だ〜か〜ら〜……
ね?
先輩が食べさせて下さい。
私のお口に……

え〜
いいじゃないですかぁ。
病人ですよ?
風邪は万病の元なんですよ?
可愛い後輩がお腹空かせて泣いちゃいますよ?

せんぱぁい、おねが〜い。
もう、冷たくて柔らかくて甘〜いのしか食べられないです〜。

はい、あーん。
(口を開けて催促する)

知りません。
ずっとこのままです。
先輩が食べさせてくれるまで、ずーっと。

恥ずかしがらないで。
ほら。
ちゃんと目を閉じて待ってますから。

あーん。
(口を開けて催促する)

んん……まだですかぁ?
ねぇ、先輩、お願い……早く……
先輩にしてほしいんです。
先輩から、私のお口に、直接……
でないと私……私、もう……

んっ
(食べさせられる)

はむ、んっ、んん……うん……
んんーっ、あまぁい。
ひんやり美味しーい。

えへへ、先輩もっと、もっとぉ。
おかわりっ。
あーん。
(口を開けて催促する)

あむっ、んくっ、んん……
はぁぁ、染み渡る〜。
生き返ります〜。
そういえば、何も食べてなかったんですね。私。

え〜、だって〜、
体だるいし、なんか頭熱くてぼーっとするし。
外出るのめんどくさくて……

ちゃんとお買い物行くつもりだったんですよ?
元気になったら行こうかなぁって。
で、とりあえず寝れば元気になるかもーって。
起きたらもっと体熱くて。
立つと頭がクラクラしちゃうし……

平気じゃないです。
結構心細かったです。

はぁ……(安堵の溜め息)
先輩が来てくれて良かった……ほんとに。

実は結構……それなりに?
まあまあ?
んー……ちょっと危ないかなぁって。
体が辛いと、気持ちも弱くなっちゃうじゃないですか。
さっきまでほんと、良くない想像ばっかりしてました。

なんとか先輩にメールしたけど。
ほら。
今、頭回らないから。
昔の電報みたいな文になっちゃうし。
ハハ キトク スグカエレ 的な?

もっと気の利いた出会い系詐欺っぽくすれば良かったです。
「五分以内に駆け付けた方の中から、先着一名様に使用済み下着プレゼント!」
どうですか?
全速力で来たくなるでしょー?

ふふっ、あはははっ、はは、けほっ、けほっ……
えへ……やっぱりまだ安静にしてなきゃですね。

んー……
それにね……
普段先輩の事、からかってばかりいるじゃないですか。
私。

だって面白いんだもん。
反応が。

先輩がどう思っているかは分からないけど、私は楽しいです。
先輩をからかうのも。
先輩にイタズラするのも。
たまに先輩を騙して観察するのも。

私は好きですよ。
先輩の事。

でも、ちゃんと聞いてなかったから。
先輩の気持ち。

もしかしたら迷惑だったかもしれないし。
図々しいとか。
馴れ馴れしいとか。
仲良しだと思ってるのは、私だけかもしれない。

あんなメール、またイタズラだと思われたら来てくれないかも、とか……

チャイムが鳴って、声が聞こえて、ほんとに来てくれて……
すごく……すっごく嬉しかったです。
ありがとう。

なんか、ちょっと恥ずかしいな……
私らしくないですよね。
こんなの。

ねぇ、先輩は?
迷惑じゃないですか?
私の事。
実は嫌いだったりしませんか?
これからも一緒に居てくれますか?
ほんとに?

じゃあ……
先輩も私と仲良くしたいって、思ってくれてるなら……
今日は帰らないで下さい。

添い寝して下さい。
抱き枕になって下さい。
私がお腹空いたらダッシュでコンビニスイーツ買い占めに行って、朝になったら裏声で私のふりして学校とバイト先に連絡入れて、お風呂の準備ができたらおんぶして連れてって下さい。

なんですか?
できますよね?
だって私達、仲良しですもんね。

当然です。
仲の良い先輩後輩なら普通の事です。
さあ、先輩、こっちに来て下さい。

(SE入れる方はここで布団をぽんぽん叩く音)

何赤くなってるんですか〜?
変な事考えないで下さいね。
ただの添い寝ですよ。
そ、い、ね。

ねぇ、早くこっち来て?
ぎゅってして下さい。
可愛い後輩が凍えちゃいます。
もしここが雪山なら大変な事になってますよ。

いいんです。
ここは私の部屋なんですから。
私がルールです。
雪山だろうと活火山だろうと。
私が黒と言えば、白も黒になるんです。

そんな事言ってると〜……
えいっ!
捕まえたぁ!

(先輩を布団の中に引き込む)

(可能であれば、以降は声の距離感を近く)

ほらね、すーぐ騙される。
私の話なんて真面目に聞くから。
真面目に聞いて、真面目に考えて、一生懸命混乱するから。
隙だらけですよ、先輩。

でも、先輩のそういうとこ、気に入ってます。
ついつい構いたくなっちゃうんですよね。

なんですかぁ?
うふふっ。

生意気だと思いますか?
後輩っぽくない?

友達同士じゃなくて、先輩後輩でもなくなったら……
じゃあ、私達ってなんなんでしょうね。
なんだと思いますか?
どんな風に仲良くしたいですか?
私と……

ふふっ。
そうだなぁ、私なら……
今夜はとりあえず、ご主人様と抱き枕……かな〜?

いいじゃないですか。
たまには甘えさせて下さい。
まあ、たまにじゃないかもしれないですけど。
か弱い後輩には優しくするものです。

はい、力抜いて〜。
もっとくっついて。
シングルベッドですからね、これ。

背中に手回して。
ちゃんと背中なでなでして。
優しくです。
たまに、頭もなでなでして……
そう。
ん、気持ち良い……。
その調子です。

私が寝付くまで、ずっとこうしてて下さい。
私がちゃんと眠れたの確認できたら〜……

(少し間を置いてから囁き声で)

夜這いしてもいいですよ、先輩。

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