2ntブログ
 

R18シチュエーションボイス、声劇、台本倉庫

□ スポンサー広告 □

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


BACK|目次NEXT
*    *    *

Information

□ 声劇(複数人用台本) □

【声劇】百物語してみた【四人用】

全年齢 コメディ ホラー 百物語 声劇台本(四人用)

【概要】
男四人で集まり百物語する話。

百物語とは※
蝋燭を準備し、怖い話を100話はなす。
話したら蝋燭の火を吹き消す。


【登場人物】
・悟(さとる)
今回話のメインとなる百物語語り手。

・圭吾(けいご)
百物語をやろうと言い出した。

・正之(まさゆき)
主にツッコミ担当。

・直(なお)
主にボケ担当。


【本文の文字数(スペースを含まない)】
約2879

【備考】
元々人物に名前をつけなくても問題ない話ですが、人物名を演じる配信者さん演者さんの名前と入れ替えたりしても楽しそうだなーと思いつけておきました。
「女性バージョンに改変してほしい」「ここの意味が分からない」など、何かありましたらご相談下さい。


-------------------------------------------


正之
「……で調べてみたら……そこ、前にも同じような事故何度か起こしてて、今は立ち入り禁止になってるんだって……」

「うっわ〜、やばい」

「あーっ鳥肌たった!
  正之、見てこれ。
  ほらほらっ」

正之
「うるさい。今、深夜だから」

「みんな持ってくるネタ、レベル高いなぁ。
圭吾と正之の、ほんとやばい」

圭吾
「まあ一応、主催だしな。そこは頑張った」

「俺は? 俺は?」

「はは……(苦笑)」

圭吾
「おい、早く蝋燭消せよ」

正之
「ふぅーっ(蝋燭を吹き消す)」

「99本目〜! あと一本!」

圭吾
「誰だー、蝋燭買った奴。
すんげー余ってんじゃん」

「あ、僕」

正之
「やっぱり」

「悟、買いすぎ〜」

正之
「あと一人で100話?」

「多分」

圭吾
「まあ、よくもったよなぁ。
四人で怪談100話って」

正之
「言い出しっぺがそれ言っちゃうか」

「あ~……
一人あたり25話?」

「すげー頑張った! 俺!」

「ノルマきつかったぁ」

「俺、先輩や彼女にまで聞きまくったもん。
百物語やるからなんかネタちょうだいって」

「なんかあった?」

「バカみたいって言われた。
子供じゃないんだから〜とか」

正之
「それ、ほんとに付き合ってんの……?」

圭吾
「直の彼女ってあれだろ。エア彼女」

「エアじゃないし!」

正之
「次、誰?」

「正之?」

正之
「なんでだよ、さっき終わったばっかだろ」

「あー……んじゃ、圭吾?」

圭吾
「終わった。悟じゃね?」

「うん、僕」

「ネタ切れだったりしないよね?」

圭吾
「頼むぞ〜、お前で締めだからな。
ちゃんと怖い話にしてくれよ」

「怖いかどうかは分かんないけど」

「はい、お約束のハードル下げ来た〜」

正之
「直はしばらく黙ろうか」

「はい……」


SE 蝋燭に火を灯す(炎が揺らぐ音、芯が焦げる音等。お好みで)


「あー……知ってると思うけど、独り暮らし長くてさ。
家事やら手続きやら、大抵の事は一人でできる方なんだよ。
でもさ、なんていうかなぁ……大雑把なんかなぁ?
よく買い忘れたり、買いすぎたりしちゃうんだ」

正之
「知ってる」

圭吾
「悟に買い出し任せた奴が悪い」

「すいません……」

「だからまあ、足りてるつもりで足りてないとか。
余分に買いすぎて余ったり〜ってのは、前からあったんだ。
でもいつからだったか……ちょっとおかしいなって気付いて」

圭吾
「おかしい?」

「うん」

「何がー?」

「買ってきたものが消えたり」

圭吾
「買い忘れじゃなく?」

「それも考えた。
でもレシートには載ってんだよ」

正之
「うーん」

「あと、買いそびれた卵が補充されてた」

「なんだ、妖精さんの話かぁ」

正之
「ちっちゃいオジサン妖精な」

圭吾
「妖精じゃなくて幽霊の話頼む」

「怪談奉行、圭吾」

「そんな日がちょいちょいあったんだけど、僕も疲れてたからさ。あんま気にしてなかったんだ」

正之
「そこで気にしないってのが凄いよ、悟は。ほんと……」

「そしたらある日、帰り道で急にどしゃ降りになって。
傘買うのも勿体無いし、走って帰ったよ。
走ったら喉乾いて、冷蔵庫から牛乳パック直飲みして、はぁーって一息ついて……」

圭吾
「……で?」

「寝た」

「はあぁ!?」

「だからぁ、疲れてたんだって。その頃。走ったのも久々だったし。
まあとにかく、急に物凄い眠気に襲われて、そのまま寝ちゃったんだ。
でも牛乳だろ? 早く冷蔵庫に戻さなきゃ、早く起きろ起きろ〜ってずっと考えてた。
眠りが浅かったのかな。
どれくらい経ったか分かんないけど、途中で目が覚めたよ。
体はダルイわ、頭は重いわ、とにかく眠くってさ……
目だけ動かして牛乳探したんだ。
そしたら、なんか、足っぽいのが見えて……」

「うわうわうわ……きたーっ。
あ、あ、足だけ?
足から上なかったの?」

「あった。普通に」

圭吾
「金縛りは?」

「多分ない……かな?
分かんない。眠かったし疲れてたから」

「どんな奴? どんな奴?」

「普通だよ、多分。
普通のおじさん。マスクしてたからよく知らんけど」

「なーんだ、せめて落武者ならなぁ。
もうちょっとインパクトあったのに」

「そうだなぁ。あ、でも、刀はないけどアレはあったよ。
お約束の。包丁」

正之
「……は?」

「え、なんで、それマジ?」

「あと鉛筆も持ってた」

正之
「ごめん、意味分かんないんだけど」

「僕も分かんない。片手に包丁、片手に鉛筆持ってた」

圭吾
「何だよ、鉛筆って」

「さあ……?
シャーペンかサインペンかもしんないけど。多分鉛筆っぽかった」

「意味分かんない! こえぇー!」

正之
「は? え? 待って待って、悟の実体験だよな?」

「うん。俺も怖かった。
ばっちり目合っちゃったし」

「うわああ無理無理無理無理っ」

圭吾
「直、声が近所迷惑」

「泥棒かな〜と思って。寝ぼけたふりするしかないなって」

「無理……マジ無理」

「なんでもないですよ〜、気にしてませんよ〜、通報なんて考えてませんよ〜って空気出そうとした」

圭吾
「どうやって」

「話しかけた」

正之
「うわぁ」

圭吾
「なんて言ったん?」

「牛乳しまいに来てくれたの? って」

圭吾
「どんだけ牛乳に固執すんだよ!」

正之
「お前のそういうとこ、もう尊敬の域に達しそう」

「しょうがないじゃん、実際寝起きだったし、頭回ってなかったし」

「で? で? どうなった?」

「そう。って言われた」

「で、グサーっと……」

「刺されてたら今ここに居ないから」

圭吾
「その前にさ、それほんとに幽霊?」

「ん~? どうなんだろ?」

正之
「牛乳は? しまってくれた?」

「ううん」

「あー、夢オチか。出しっぱなしのままだったと」

「いやぁ、多分捨てられた。
洗った牛乳パック、綺麗にたたまれてた。 
起きたらそこの流しにあったよ」

「完全に人間じゃん!」

正之
「起きたら……って、結局また寝たのかよ!」

圭吾
「急激な眠気ってのも怪しいな。
前から部屋に出入りしてたんだろ?
何か盛られたんじゃね?」

「あ〜……証拠隠滅で捨てたんだ……
うわぁ〜やだやだっ」

「そういやあのおじさん、どしゃ降りだったのに濡れてなかったなぁ。
土足で上がった跡はあったけど。掃除楽だった」

圭吾
「降る前から家の中に居たって事か……」

「もー! やめろよー! お化けは平気だけど、そっち系のやつ無理。
一人で帰れない。今日は悟ん家泊まる」

「いいよー、布団一組で良ければ」

圭吾
「ビビリすぎ」

「100話終わったけど、なんも起こんなかったね」

「意地悪言うなよ! 圭吾だけ一人で帰らせるかんな!」

圭吾
「子供か」

「みんな泊まりたいっしょ? 正之なんか家遠いし」

正之
「待って、その前にこれだけ確認させて」

「ん?」

正之
「お前が入れてくれたカフェオレ。
この牛乳には変な曰くないよな?」

「ははっ、そんな古い牛乳残してる訳ないじゃん。
昨日買ったばっかだよ」

正之
「なぁ……それ、いつの話?」

「だから昨日」

正之
「じゃなくて! さっきの話!」

「あー、えーと……先月? あれ?
二〜三ヶ月前だったかなぁ」

圭吾
「引っ越した?」

「金ないって。
あったらこんなボロアパートに居ないから」

正之
「え……じゃあこの部屋……」

「あれー?」

圭吾
「どうした?」

「100話目の蝋燭、消したの誰?」


-------------------------------------------




BACK|目次NEXT
*    *    *

Information

Comment

コメントの投稿








 ブログ管理者以外には秘密にする